教授法

多読学会とNPO多言語多読法人

ことばを愛するみなさまへ

 

あれは2017年くらいだったのでしょうか。東京へ「多読学会」の学会と、「NPO多言語多読セミナー」がちょうど2日続けて開催されたので北海道から飛行機で移動し参加してきました。

 

それぞれまた違う雰囲気だったのが印象的でした。

 

多読学会は大学教授をお招きして英語教育についてのお話があり、グループワークは先生達の抱える悩みなどを解決できるように話し合ったり、多読指導で使われる絵本などが山積みになっていました。そこで学会の方から易しい絵本から沢山読み進めていくと、本当に英語力が身につくんですよ、と、とても力を込めてお話をしていただいたことを思い出します。

 

学会では小学校の先生達が多かったのも印象的でした。(グループ分けでは学校の先生達と一般の英語教室などの先生達とで分けられました)。なんとなくの印象ですがグループワークではいかに子供たちに効率的に多読指導により英語を習得させるか、などみなさん求められているんだな、という印象でした。受験や資格試験、ビジネスの面なども色々考慮した発言が多かったようです。

 

一方NPO多言語多読セミナーはまた取り組み方が全然違って、日本語をアメリカの大学で教えている教授が生徒への日本語の多読指導の取り組みについてプレゼンされていました。何か資格を得る、どれだけ上手に日本語ができる、という目標よりは、日本の文化に触れる、など、内面的な働きかけを意識しているように思われました。

 

グループワークでは「文字なし絵本」または文字の少な目の絵本をそれぞれ読んで感想を言い合う。ちなみに私はそこでShaun TanのArrivalという非常に感慨深い、心の奥に響くような文字なし絵本と出逢います。見始めてから周りをかまわずに時間を忘れるように絵本の中に入っていった気分でした。当時の理事長(酒井邦秀氏)が「その本すごいでしょ」と声をかけてくれたのを覚えています。

 

また、同じセミナーなんですが、別の場所に移動して開催されたワークショップでは多読指導をしている学校(私立の中高一貫校)の教室にお邪魔し、本を読んで感想を言い合う、そして多読指導をされている先生を囲んで多読指導について色々起こることについてお話を伺ったりすることができました。例えば沢山読んではいるのだけど、実は文字だけを追っていて、話の「キモ」を理解していなかった生徒さんのこと。発音もとてもよくて流暢に読めるので気づかなかったとのことでした。そこで「絵をよく見る」ことについての重要性などを教えていただきました。

 

両方それぞれ、とても実のある集まりで、非常に勉強になりました。